中高生の情報教育に関する支援活動 ―第82回全国大会を中心に―

情報処理,Vol. 61, No. 8
「中高生の情報教育に関する支援活動 ―第82回全国大会を中心に―」
が刊行されました。



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和田 勉
編集にあたって
Supporting Activities in Informatics Education for Junior and Senior Highschool Students – Focusing to the 82nd IPSJ Annual Conference:0. Foreword
本会の中高生の情報教育に関する支援活動のうち,第82回全国大会で行った第2回中高生情報学研究コンテストと,(第1回)初等中等教員研究セッションについて報告する.同大会は現地開催は中止になったがオンライン審査および本特集への掲載の形で行うことができた.前者についてその意義・概要・審査の様子・上位入賞作品の紹介・教員から見た同コンテストを,後者について発表内容を紹介する.
情報処理, Vol. 61, No. 8, pp.842-843 (2020).

 

喜連川 優
中高生情報学研究コンテストの発展に期待する
Supporting Activities in Informatics Education for Junior and Senior Highschool Students – Focusing to the 82nd IPSJ Annual Conference:1. Expectancy to Expansion of the Informatics Research Contest for Junior and Senior High School Students-
小生が本会会長のときに子供が対象の「ジュニア会員制度」を創設したが,「中高生情報学研究コンテスト」によりジュニアへのサービス展開が一層パワーアップされたことは大変喜ばしく,国立情報学研究所は本取り組みを支援している.2017年,18年に告示された学習指導要領で初等中等教育での情報教育は進化し,高等学校では「情報I」が必履修となり「情報II」も新設された.また,ギガスクールにより子供の学習IT環境が大きく改善される.各自治体は教師不足で困っている.本会には子供とともに学校の先生への学会誌の無償提供するなど,我が国において歴史的な大プロジェクトとなるギガスクールへの積極支援をお願いしたい.
情報処理, Vol. 61, No. 8, pp.844-846 (2020).

 

萩谷昌己,中山泰一
中高生情報学研究コンテストの概要・意義・効果
Supporting Activities in Informatics Education for Junior and Senior Highschool Students – Focusing to the 82nd IPSJ Annual Conference:2. Informatics Research Contest for Junior and High School Students – Overview, Implication and Effect
2019年3月の本会全国大会より,中高生情報学研究コンテストが始まった.本稿では,主として2020年3月に開催された第2回のコンテストの概要について報告するとともに,その意義と効果について,特に情報学分野の尖がった人材の育成の観点から述べる.
情報処理, Vol. 61, No. 8, pp.847-851 (2020).

 

高岡 詠子
中高生情報学研究コンテストの審査の様子
Supporting Activities in Informatics Education for Junior and Senior Highschool Students – Focusing to the 82nd IPSJ Annual Conference:3. Examination of Informatics Research Contest for Junior and Senior High School Students
第82回全国大会は2020年3月5日〜7日,金沢工業大学で開催予定であったが,新型コロナウイルス感染症への対策として,現地開催が中止となった.2020年3月7日,第82回全国大会のイベント企画で行われるはずであった「中高生情報学研究コンテストポスターセッション」の当日の様子をレポートすることになっていたが,現地開催が中止となり,急遽オンライン審査に切り替えた「中高生情報学研究コンテストポスターセッション」について,経緯や状況を交えて報告する.
情報処理, Vol. 61, No. 8, pp.852-857 (2020).

 

和田 勉
中高生情報学研究コンテストの作品紹介
Supporting Activities in Informatics Education for Junior and Senior Highschool Students – Focusing to the 82nd IPSJ Annual Conference:4. Works by Students in the Informatics Research Contest by Junior and Senior Highschool Students
第2回中高生情報学研究コンテストにおいて上位入賞をした5チームを紹介する.事前提出されたポスター原稿および400字の説明文に加え,受賞しての感想をあわせ掲載する.
情報処理, Vol. 61, No. 8, pp.858-861 (2020).

 

須藤 祥代
教員から見た中高生情報学研究コンテスト─教科「情報」と「総合的な探究の時間」の連携─
Supporting Activities in Informatics Education for Junior and Senior Highschool Students – Focusing to the 82nd IPSJ Annual Conference:5. Junior and Senior High School Informatics Research Contest from a Faculty Member’s Point of View – Cooperation between “Information” and “Period for Inquiry-Based Cross-Disciplinary Study”-
教科「情報」の「情報の科学」と「総合的な探究の時間」の授業を連携し,「情報の科学」で学習した知識・技術・態度を,総合的な探究の時間で活用できる知識・技術・態度にしていくようなカリキュラムマネジメントを行った.「情報の科学」では,年間を通じて問題解決学習を行っており,その一例としてPBL(課題解決学習)形式でのアンケート実習をグループで行っている.「総合的な探究の時間」では,個人で卒業研究を行い,調査研究等について専門家や第3者からのフィードバックを得て研究を深めるための1つの方法として,中高生情報学コンテストに応募した.今回は,これらの一連の活動や学びのデザインについて考察を行った.
情報処理, Vol. 61, No. 8, pp.862-864 (2020).

 

小原 格,中野由章
初等中等教員研究発表セッション ─情報処理学会第82回全国大会─
Supporting Activities in Informatics Education for Junior and Senior Highschool Students – Focusing to the 82nd IPSJ Annual Conference:6. Research Presentation Session by Teachers in Primary and Secondary Schools
今までの大会や研究会においても初等中等教育機関の教員が発表することはあったが,平日に休むことや,公立学校教員の身分上の制約などが障害になっていた.そこで,情報処理学会第82回全国大会において,土曜日,および,午後に行われる「中高生情報学研究コンテスト」に先立つ形で「初等中等教員研究発表セッション」を企画し,8名の研究発表が予定されていた.しかしながらコロナ禍により中止となり,このままこれらの研究成果が埋もれてしまうことは,本会や初等中等教育にとって大きな損失になってしまうという危機感の下,本稿では,発表予定者の発表内容を簡単にまとめて記録に残すとともに,知識や実践の共有を図ることとした.
情報処理, Vol. 61, No. 8, pp.865-869 (2020).