高等学校共通教科情報科の変遷と課題




情報処理,Vol. 59, No. 10
「高等学校共通教科情報科の変遷と課題」
が刊行されました。

(参考)

  1. 高等学校情報科教員採用の危機的現状
  2. 高等学校情報科における教科担任の現状
  3. The Next Course of Study from 2022 and a History of the Subject `Informatics’ in Japanese High Schools

 

 

中野 由章
高等学校共通教科情報科の変遷と課題
Past, Present and Prospect of General Informatics in Senior High Schools
– Necessity of Systematization of University Informatics Education –
2003年度から高等学校に「情報科」が新設された.普通教科(現共通教科)の開設状況は,情報活用が中心の「情報A」が80%,情報科学が中心の「情報B」が5%,情報社会が中心の「情報C」が15%と,情報活用に偏重していた.2013年度からの現行学習指導要領においても,共通教科は,「社会と情報」が80%,「情報の科学」が20%程度と,やはり情報科学が軽視されている.2022 年度からの次期学習指導要領では,必履修科目が「情報I」に一本化され,発展科目として「情報II」が設定された.しかし,情報科専任の教員はわずか20%程度であり,約50%が他教科との兼務,残る約30%は情報科の教員免許を持たない免許外教科担任や臨時免許という状況にある.
情報処理, Vol. 59, No. 10, p.933 (2018).