プログラミング入門教育における図形描画先行型のコースウェアが学習に与える影響

情報処理学会論文誌「教育とコンピュータ」,Vol. 3, No. 1
「プログラミング入門教育における図形描画先行型のコースウェアが学習に与える影響」
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西田 知博, 原田 章, 中西 通雄, 松浦 敏雄
プログラミング入門教育における図形描画先行型のコースウェアが学習に与える影響
Comparison between Two Types of Courseware for Introductory Programming
筆者らは,10年にわたり初学者向けプログラミング学習環境であるPENを用いてプログラミングの入門教育を行ってきた.本論文では,情報科学を専門としない学部の全6クラスの情報リテラシ科目のなかで実施した,90分 × 4回のプログラミング演習について述べる.当初は,キーボードから数字を読み込んで計算結果をディスプレイ画面に出力するような例題から始めて逐次・条件分岐・繰返しを学び,最後に図形を描画する単一のコースウェアを用いていた.その2年後,図形描画の例題から始めるタイプのコースウェアも開発し,クラスごとにどちらかのコースウェアを用いて演習を行ってきた.本論文では,2011年度から4年間の授業におけるアンケートおよび試験成績を統計的に分析した.その結果,図形描画をともなう例題を扱う方が,繰返しのようなつまずきやすい学習内容でも,理解度や楽しさを下げることなく学習できていることが分かった.
情報処理学会論文誌「教育とコンピュータ」, Vol. 3, No. 1, pp. 26-35 (2017).