情報処理学会は、第84回全国大会にて「情報入試ー共通テストと個別試験」と題してイベント企画セッションを開催します。
高校での教科「情報」は、2022年度から単一の必履修科目「情報Ⅰ」と、さらに深く学ぶための選択科目「情報Ⅱ」の二階建てとして実施され、2025年度からは共通テストで「情報Ⅰ」が単一枠で実施される見通しとなりました。この状況を受けて、共通テストの実施を前提に、大学入学選抜での教科「情報」の取り扱いについて議論します。大学個別に実施する入学試験での「情報」試験ー全学/学部別/学科別、AO選抜での「情報」の取り入れなどの先行例の紹介や、高校の現場からの高大接続の観点から報告・要望の紹介、学会活動の視点から情報入試についての議論を予定しています。 是非ご参加ください。
■セッション開催日時:2022年3月5日(土)9:30-12:00
内容詳細は以下をご覧ください。
https://www.ipsj.or.jp/event/taikai/84/ipsj_web2022/html/event/B-10.html
■プログラム
司会
稲葉 利江子(津田塾大学 学芸学部情報科学科 准教授)
09:30-09:35 式辞 開会挨拶
筧 捷彦(東京通信大学 情報マネジメント学部 教授)
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09:35-09:55 講演(1) 新学習指導要領に対応した令和7年度大学入学共通テストにおける「情報Ⅰ」について
前田 幸宣(文部科学省 高等教育局大学振興課大学入試室 室長)
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【講演概要】令和4年度に高等学校に入学する生徒から平成30年3月に告示した新学習指導要領が適用されることに伴い,令和6年度に実施される令和7年度大学入学共通テストについては,新学習指導要領に沿った出題教科・科目とする必要があるため,その内容について国公私立大学及び高等学校関係団体の代表者等を構成員とする大学入学者選抜協議会において協議した結果,新たに必履修科目となった「情報Ⅰ」を新たに出題することとした「令和7年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト実施大綱の予告」を令和3年7月に各大学等に通知するとともに,「情報Ⅰ」の試験時間を60分とすることや,現行の教育課程における選択必履修科目「社会と情報」「情報の科学」に対応する経過措置を講じることを同年9月に各大学等に通知した. これらを踏まえ,各大学においては令和4年度中に令和6年度に実施する入試の出題教科・科目を公表する必要があることから,その検討の一助となるよう,「情報Ⅰ」の出題に関するこれまでの経緯や背景,その他講演時点までに決まった内容について報告することとする.
09:55-10:15 講演(2) 情報入試 – 個別入試の導入とその後の推移-
本田 理恵(高知大学 理工学部門 教授)
【講演概要】高知大学理工学部情報科学科では,2010年度から推薦I,2011年度から前期試験を含むその他の各種入試において教科「情報」での試験を導入し,現在,国立大学で唯一の実施校となっている.本講演では,当学科における個別試験導入のきっかけと開始時の工夫,ならびにその後の10年間の推移について紹介する.導入の直接的なきっかけは,改組による一括入試の影響で情報科学を選択する学生が激減したことであった.導入時の入試問題の策定にあたっては当時の教科,「情報A,B,C」のどれでも受験できるよう配慮し,進学担当者への事前の情報提供も行なった.この結果,導入後は入学後に情報科学を選択する学生数を回復させることができた.その後,2017年に再び改組で情報科学科が再発足した後も,引き続き選択肢としての「情報」入試を実施し続けている.なお,2013年の高校の教科改定については,教科の選択等における高校の動向の見極めが難しい側面があったが,詳細については講演時に報告する.今後,共通テストにおける教科「情報」の開始をきっかけとして個別入試でも教科「情報」を検討される大学の皆様の参考になれば幸いである.
10:15-10:35 講演(3) 情報入試 – AO入試での例
安田 豊(京都産業大学)
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【講演概要】京都産業大学では 2016 年から「情報入試」を AO 入試の一形態として実施している.本パートでは 7 回めとなったこの形式による個別試験の運用経験を報告する.
10:35-10:55 講演(4) 情報入試 – 高校現場から
稲垣 俊介(東京都立神代高等学校)
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【講演概要】東京都高等学校情報教育研究会の専門員会として「情報Ⅰ大学入試検討委員会」を本年度より立ち上げ,オンラインで集まり意見交換をしている. これまでも情報科の入試は限られた大学で実施されてきた.しかし,2025年度から共通テストにおいて「情報Ⅰ」が出題されるため,これまでとは違い,高校では大きな規模で情報の入試対策に取り組まなければならない.情報科の教員の多くは,入試対策の経験が少ない者が多いと思われる.そのために本委員会では,入試問題を分析し,さらにそれをどう授業で教えていくのか,その検討を行うことで,その経験の少なさを補うことを目的としている.さらに,情報科の教員は1校一人の体制となっている場合が多く,相談することも情報を共有することも難しい.だからこそ本委員会で情報科の入試対策の軸をつくることができればと考え活動している. 本講演はこれまでの集まりでどのようなことを話し合ってきたのか,そして今後目指す方向性について述べる.
10:55-11:05 休憩
10:55-11:55 講演 鼎談 – 学会活動の視点から情報入試を語る
萩谷 昌己(東京大学 情報理工学系研究科 教授)
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10:55-11:55 講演 鼎談 – 学会活動の視点から情報入試を語る
野田 五十樹(北海道大学大学院情報科学研究院教授,株式会社未来シェア取締役)
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10:55-11:55 講演 鼎談 – 学会活動の視点から情報入試を語る
田口 亮(東京都市大学 情報工学部情報科学科 大学院総合理工学研究科長)
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11:55-12:00 式辞 閉会挨拶
中山 泰一(電気通信大学大学院情報理工学研究科 教授)
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