情報Iの教科書におけるプログラミング分野の比較と考察

情報処理学会論文誌「教育とコンピュータ」,Vol. 8, No. 3
「情報Iの教科書におけるプログラミング分野の比較と考察」
が刊行されました。

井手 広康
情報Iの教科書におけるプログラミング分野の比較と考察
Comparison and Consideration of Programming Fields in Information Study I Textbooks
令和4年度より高等学校では「情報I」が始まり,プログラミングの分野では,基本的に教科書に記載されたプログラミング言語を用いて授業を行うことになる.また,令和7年度からの大学入学共通テストに「情報」が導入されることから,授業で扱うプログラミング言語と共通テスト「情報」に出題されるDNCLとの違いを意識しながらプログラミング教育を実施する必要がある.そこで本研究では,DNCLと「情報I」の教科書に使用されているPython,JavaScript,VBA,Scratchとの相違点について考察するとともに,試作問題/サンプル問題と教科書に記載されているプログラミング分野の内容について比較を行った.その結果,DNCLと各プログラミング言語には,変数の宣言,ブロックの区切り,オブジェクトの結合,配列/リストの作成と操作,for文の表記などに大きな違いがあること,すべての教科書が試作問題/サンプル問題に出題された内容を網羅できているわけではないことが分かった.
情報処理学会論文誌「教育とコンピュータ」, Vol. 8, No. 3, pp. 8-18 (2022).