日本情報科教育学会 「大学入学共通テストにおける共通教科情報科の出題について」

日本情報科教育学会
「大学入学共通テストにおける共通教科情報科の出題について」
を公表しています。

詳しくは、
http://jaeis.org/wp-content/uploads/2020/12/文科大臣様宛て:日本情報科教育学会要望書.pdf
をご覧ください。

(参考)



大学入学共通テストにおける共通教科情報科の出題について

日本情報科教育学会

高等学校共通教科情報科では、2022年度より「情報I」が必履修科目となり、「情報II」が選択科目となります。したがって、大学入学共通テストは2025年度入試より、2022年度実施の学習指導要領で学んだ高校生が対象となります。これに対応して高大接続システム改革会議「最終報告」では、中央教育審議会の検討と連動しながら、共通教科情報科に関して「適切な出題科目を設定」すべきと述べられています。

共通教科情報科によって身に着けるべき素養は、「情報社会に生きる市民」にとって必須であると同時に、大学等での高等教育を受けるためにも、専門分野の選択によらず、専門教育を受けその成果を社会で活用するためにも、さらに進んでその専門分野での研究を遂行するためにも、必要不可欠なものです。また、専門分野によらず研究推進に欠かせないものとなったデータサイエンスと人工知能に関する素養の育成は、大学等における基礎共通教育の重要な柱となりつつありますが、その充実した実現にも共通教科情報科の内容に呼応する基本的な知識・能力が不可欠の前提となります。

したがって、入学試験において共通教科情報科の素養を試すことは、大学のアドミッションにおいて欠かせない観点であり、大学の裁量で「情報I」および「情報II」を共通テスト科目として選択できることが求められます。特にすべての生徒が学ぶ「情報I」は、他の教科の科目の選択に依らずに、独立に選択できるようになっているべきです。さらに本会では、2021年度までの複数科目の体制(「情報A・B・C」および「社会と情報・情報の科学」)とは異なり、「情報I」が大学入試科目としてより適切なものであり、入試科目として相応しい充実した内容を有していると評価しております。

本会は長くにわたり高等学校情報科の教育に関する研究とその実践に取り組んできました。その間に蓄積した学識を背景として、2022年度実施学習指導要領の共通教科情報科が共通テストの科目として採択されることをここに強く望むものです。