第4回 初等中等教員研究発表セッション

2023年3月4日、電気通信大学において開催される情報処理学会第85回全国大会において、
第4回 初等中等教員研究発表セッションが開催されます。

(参考)

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佐藤 譲(川崎市立小杉小学校 教諭)
GIGAスクール2年間の小学校の取組

【講演概要】GIGAスクールにより一人1台そしてクラウドの環境が整ってから,2年が経とうとしています.小学校現場では,まず先生たち自身が「使ってみる!」というところからスタートしました.手探りの状態でしたが,失敗を繰り返しながら,少しずつ”慣れる”ことを大切にしてきました.校務の中でchatで連絡を取ったり,ファイルを共有して一緒に作業したりすることが日常的になりました.また,子どもたちが,主体的に学ぶことのできるようになるという点でも,GIGA環境はとても相性がいいと思います.学ぶ姿勢,学び方そのものを身に付けていくためには、教師が授業を日々アップデートしていく必要があります.その授業の組み立て方や子どもたちの変容についても,同僚の先生方と気軽に話し合えるようにもなってきました.このような先生達の意識の高まりや,子どもたちの成長の様子など,事例を交えてお話しさせていただきます.
青木 譲(大阪市立茨田東小学校 首席 プログラミング教育担当)
各教科等におけるプログラミング教育の実践研究 2017年度からの6年間の取組

【講演概要】本校2017年度からの6年間の取組を通して,プログラミング教育の導入段階から,継続的な取組,推進を図るために必要な外部資源の活用や,教師や児童の変容に言及する.6年間の取組を進める中で,プログラミング教育年間指導計画の作成及び,本校独自の「プログラミング活用能力」について定義した.報告ではプログラミング教育導入による成果だけでなく,プログラミング教育を指導する教職員の苦労や困りごと等も紹介したい.
多田 義男(筑波大学附属中学校 教諭)
中学生を対象とした情報セキュリティ授業の実践と考察

【講演概要】技術・家庭科(技術分野)における「情報の技術」の分野において,どのような授業を行えば,効果的に情報セキュリティへの意識を高めることになるか考察した発表である.インターネットを利用して学習する機会が増加し,各家庭でも中学校への進学を機会に,保護者が子どもにスマートフォンを持たせる実態もある中で,スマートフォンを持ち始めた中学生が,SNSを利用し誤った情報を発信させないことや,インターネット上で自分自身や他者を守るときに必要な情報セキュリティについての意識を持たせる授業実践の報告を行う.
能城 茂雄(東京都立三鷹中等教育学校 主幹教諭)
大学入学共通テストを意識した情報Ⅰの授業実践

【講演概要】令和4年度から実施された情報Ⅰの授業において,都立三鷹中等教育学校で授業実践をどのように行ってきたかを発表する.情報Ⅰ初年度となる今回は,これまで情報科で行われてきた授業をベースに,クラウドサービスの活用や一人1台端末,PC教室の利活用などを含め授業改善や大学入学共通テスト対応など,情報Ⅰ時代に対応した新たな実践を行ってきた.本発表では,本校における授業実践・新たな取り組み,大学入学共通テスト対応について発表する.
武善 紀之(日出学園中学校・高等学校 教諭)
「情報科」で南極と日本を結ぶー南極地域観測隊(JARE)に参加して

【講演概要】国立極地研究所が主催する「教員南極派遣プログラム」を活用し,第63次南極地域観測隊(JARE)同行者として2021年10月から2022年3月まで南極観測に参加した.本事業は,極地の自然や観測に興味を持つ現職教員を南極へ派遣し,現地から衛星中継授業を行うものである.2009年から続く事業であるが,情報科教員の派遣は私が初となった.本講演では,南極の自然や観測隊のリアルな姿にも触れながら,スマートスピーカーを用いたIoT実験,生徒の作成した環境計測装置など,授業内で行った実践を紹介する.また,南極の地で授業作りをする上で感じた,情報科や技術教育の学習意義についても,併せて共有したい.
春日井 優(埼玉県立川越南高等学校 教諭)
「情報Ⅰ」実施により何が変わるのか

【講演概要】今年度から新教育課程が始まり「情報Ⅰ」の授業が開始された.従前の教育課程では,多くの学校が「社会と情報」を履修しており,学習内容が大幅に変わった.勤務校ではこれまでに「情報B」,「情報の科学」を実施しており,授業ではモデル化とシミュレーション,単純ベイズによる分類,データの分析などコンピュータを活用して生徒に思考させる授業に取り組んできた.これまでに先行して取り組んできた授業を振り返るとともに,これらの学習内容により生徒の思考にどのような変化が起きるのかを考察する.
三井 栄慶(神奈川県立横浜翠嵐高等学校 総括教諭)
受験テクニックに溺れない! 情報Ⅰの指導

【講演概要】令和4年11月に大学入試センターから「情報」の試作問題が公表された.これをうけて教科「情報」の教員は大学入試対策をどのように進めていくか検討することができるようになったと考えている.問題は大学入試対策を「いかに効果的に点数をとるか」といったような受験テクニックに傾倒する授業者が出てくることが予想されることである.そうではなく,教科「情報」の目標に立ち返り「問題の発見・解決」を行う学習活動を実施することにより大学入試対策も十分に行うことができることを提案できればと考えている.
岩崎 有朋(鳥取県教育委員会 GIGAスクール推進課 係長)
人口最少県ならではの小回りの効く教育の情報化

【講演概要】鳥取県は都道府県の中で一番人口が少なく,それが弱みにも見えがちです.しかし,GIGAスクール構想の推進にあたっては,その小ささを強みに,市町村と密に連携し,県内全ての校種の児童生徒,教職員にGoogleアカウントを付与し,小1〜高3までの12年間の連続した学びを作ろうとしています.さらに県教委の各課が横断的に連携することで,さまざまな事業を展開し,多角的に学校のICT活用推進を支援しており,その成果は文科省が毎年実施する教育の情報化に関する実態調査でも確実に成果として現れています.発表では,それらについて紹介しつつ,活用から次のフェーズに移るために何に取り組もうとしているのかをお話しする予定です.