情報科が拓く小中高教育の未来

2024年3月17日、神奈川大学横浜キャンパスにおいて開催される情報処理学会第86回全国大会において、
イベント企画「情報科が拓く小中高教育の未来」が開催されます。

(参考)

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滑川 敬章(千葉県立流山南高等学校 校長)
GIGAスクール後の小・中学校の学びから、高等学校の情報教育を考える

【講演概要】GIGAスクール構想により,1人1台端末の授業での活用が進み,生徒の学び方や授業の進め方も大きく変わりつつある.学習の基盤となる資質・能力と位置付けられた情報活用能力の重要性が益々大きくなるとともに,小・中・高等学校を通じた情報活用能力の育成が求められている.しかし,小・中学校では,情報に関する専門知識をもつ教員も多くないため,校長のリーダーシップによるカリキュラム・マネジメントだけでなく,専門的な見地からの助言や支援といった外部からのサポートが必要だと考えられる.一方,高等学校には教科として情報科があるが,小・中学校での情報活用能力育成に地域差や学校差があり,「情報Ⅰ」履修の前提になる知識・技能が不足している.また、小・中学校と比べて講義中心の授業が多く,生徒の学び方も受け身的になりがちである.これらの課題について,中学校校長の経験を踏まえて,いま取り組むべきことについてお話しする.
柴田 功(神奈川県立希望ケ丘高等学校 校長)
高校はGIGAスクールで何を創造するのか

【講演概要】多くの高等学校では令和4年度から生徒一人一台端末を活用できるGIGAスクール環境が整った.そうした中で,各教科で一人一台端末をどのように活用した授業を行えばよいのか,また,情報科の授業の在り方はどのように変わるのか,校長目線でお話しします.
福原 利信(東京都立田園調布高等学校 校長)
情報研究会のこれまでとこれから

【講演概要】情報科がスタートして20年を過ぎた.2024年度には大学入学共通テストで「情報」が出題されるという時期に至っても,情報科を取り巻く状況に課題が山積している.情報研究会の活動を通して情報科の置かれた課題を整理し,校長のリーダーシップで解決できる課題と,更に大きな取り組みで解決していかなければならない課題を整理し,これからの情報科について考えたい.
津賀 宗充(茨城県立IT未来高等学校 校長)
情報科専科高等学校の立ち上げ

【講演概要】令和5年4月に開校した茨城県立IT未来高等学校の目指すものについて発表する.本校は昼間2部制定時制単位制高等学校であり,全国初(?)の情報科専科高等学校でもある.開校初年度の教育活動を報告するとともに,生徒たちの様々な活動の様子を紹介したい.併せて,専門教科情報科特有の悩みについても報告する.
中野 由章(工学院大学附属中学校・高等学校 校長)
校長が果たすべき役割

【講演概要】学校説明会にお越しいただいた方から「組織はリーダーの器を超えない.だから,今日は校長がどんな人かを見に来た.」と言われたことがある.なるほど,これは僕自身腑に落ちるところである.学校は組織であり,組織風土が一校長により変わってしまうことには抵抗もあるが,一方,校長が変わっても何も変わらないのであれば,校長の存在意義がない.校長はその組織の目指す姿の象徴である.
我々はさまざまな情報技術に支えられた社会の中に存在する.その情報技術のしくみや特徴を理解することは,非常に重要である.情報教育は小中高において,比較的歴史の浅いものであり,地域や学校感にまだまだ格差がある.また,その重要性が十分認識され,市民権を得ているという状況にない.情報活用能力はスタディ・スキルズでもあり,教科横断的に連携した情報教育の実践が肝要である.このカリキュラム・マネジメントにおいても,校長の積極的なリーダーシップが求められる.
滑川 敬章,柴田 功,福原 利信,津賀 宗充,中野 由章
パネル討論 これからの小中高校の情報教育の未来と校長の役割
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