日本産業技術教育学会 「高等学校共通教科情報科の大学入学共通テストでの実施に関する提言」

日本産業技術教育学会
「高等学校共通教科情報科の大学入学共通テストでの実施に関する提言」
を公表しています。

詳しくは、
https://www.jste.jp/main/teigen/210201_teigen.html
をご覧ください。

(参考)



令和3年1月27日

文部科学大臣
萩生田 光一 殿

一般社団法人日本産業技術教育学会
会長 村松 浩幸

高等学校共通教科情報科の大学入学共通テストでの実施に関する提言

一般社団法人日本産業技術教育学会は,高等学校共通教科情報科についての試験を,大学入学共通テストの重要な一部として実施することは,情報技術の重要性がこれまで以上に増大する今後の社会において,たいへん重要であると考えます。我が国が新しい価値と未来を創造でき るようにしていくためにも,本会は,今回の情報科についての試験の実施に賛意を示すと共に,以下の提言および支援をいたします。

1.高等学校共通教科情報科の充実への提言と支援
共通教科情報科を大学入学共通テストにおいて実施する前提として,各高等学校での共通教科情報科の授業の充実が不可欠となります。しかし,共通教科情報科の授業担当者において,免許外教科担当教員の割合が高いことは全国的な大きな課題となっています。免許外教科担当教員 の課題が解消されるように,各自治体への高等学校段階での情報科の教員採用の働きかけと共に,教員研修および情報科教員養成への支援もこれまで以上に進めていく必要性を提言いたします。
本会も,共通教科情報科に関する実践研究を、学会や論文等による交流活動を通してより活性化すると共に,実践事例集作成等の事業を通じ,情報Iおよび情報IIの実践の円滑な実施を支援していきます。

2.中学校技術・家庭科技術分野の充実への提言と支援
高等学校での共通教科情報科の授業の充実のためには,その前段階である中学校での技術・家庭科技術分野における情報技術についての授業 の充実も必要となります。しかし,高等学校同様に,技術科教員が不足し,免許外教科担当教員が多いことは大きな課題となっています。免許外教科担当教員の課題が解消されるように,各自治体への技術科の教員採用の働きかけと共に,教員研修および技術科教員養成への支援もこれまで以上に進めていく必要性を提言いたします。また,技術・家庭科技術分野においては,その重要性および内容の増大に対して,授業時間数 が絶対的に不足しており、特に3学年における授業時数の減少は他学年と比較して顕著です。重ねて授業時間数の増加の必要性についても提言いたします。
本会も,中学校での技術・家庭科技術分野における情報技術の実践研究について,研究会等を通じてより活性化すると共に,情報技術の技術 科教員向けの実践事例集や研修資料作成等を通じ,中学校での技術・家庭科技術分野における情報技術についての授業の充実を支援していきます。

3.小学校段階のプログラミング教育の充実への提言と支援
高等学校,中学校同様に,小学校において必修化されたプログラミング教育の充実も重要な課題です。プログラミング教育の円滑な実施のために,教員研修および教員養成への支援もこれまで以上に進めていく必要性を提言いたします。また,小学校高学年の教科担任制(外国語・理 科・算数)の導入と共に,プログラミング教育についても専任教員が担当できる制度の設定についても提言いたします。
本会も,小学校でのプログラミング教育の実践研究について,研究会等を通じてより活性化すると共に,プログラミング教育の授業の充実につながる情報提供等を支援していきます。

以上