第2回 初等中等教員研究発表セッション

2021年3月20日、情報処理学会第83回全国大会(大阪大学豊中キャンパス→オンライン開催に変更)において、
第2回 初等中等教員研究発表セッションが開催されます。

(参考)

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菊地 寛(浜松市立雄踏小学校)
SDGsをテーマとした総合的な学習の時間におけるICT活用

【講演概要】小学校5年生児童を対象に,SDGsについての学びを深めることを目的として,エコバッグをテーマとした授業を実施している.授業ではGoogle Classroom等を活用しながら,児童が自分の意見を書き留め,仲間と比較しながら自分の考えをより良くすることを支援している.講演では,授業の概要やICTの活用方法について紹介する.
寳迫 芳人(埼玉県所沢市立上新井小学校)
小学校におけるプログラミング教育の取組と課題

【講演概要】平成20年からの2年間で,埼玉県立総合教育センターの「オープンソースを活用した学習モデルに関する研究」に参加し,小学生を対象としたプログラミング教育に関わったことから始まった私自身のプログラミング教育の実践について紹介し,今般の「小学校プログラミング教育必修化」を受けて,教頭になった現在,これまでの実践経験を踏まえてどのような実践を行っているのか紹介する.また,文科省が示す小学校プログラミング教育のねらいや学習活動の方向性についても触れながら,現在の勤務校での取組状況からプログラミング教育の今後の課題について考察する.
伊藤 亮(静岡県総合教育センター)
小中学校におけるプログラミング教育の実践の様子と教育センターにおける研修

【講演概要】静岡県総合教育センターでは,2018年度からプログラミング教育を推進するための各種研修や授業支援を提供してきた.対象は小学校や中学校技術科である.講演では,B分類音楽科 題材「和音の音で旋律づくり」の実践を紹介するほか,各種研修で取り扱ってきた内容についても紹介予定である.
有山 裕美子(工学院大学附属中学校・高等学校)
学校図書館のDX 〜工学院大学附属中学校・高等学校のファブスペースの取り組みを通して

【講演概要】学校図書館といえば,読書と調べ学習の場である,と言うのが一般的な認識ではないだろうか.もちろんそれらは学校図書館の重要な使命である.その上で例えば,3Dプリンターを使って情報を触れることができる形にし,構築すれば,学校図書館はアイデアを収集し形にする,INとOUTが同居する「創造空間」になる.また,児童生徒の学びを支援する場であり,その学びのプロセスや情報活用能力を育成する機能を有する学校図書館は,デジタルを含めたあらゆる情報を収集,構築し,提供する場でもある.本報告では,本校の5年間にわたるファブスペースの取り組みを通して,GIGAスクール時代の新しい情報センターとしての学校図書館のあり方を提示する.
加藤 和幸(金城学院高等学校)
情報科での統計分野の指導について

【講演概要】新学習指導要領での統計教育に関する内容は,数学科では中学2年・数学Ⅰ・数学Bなどでかなり重点がおかれている.情報科においても情報Ⅰでの「情報通信ネットワークとデータの活用」や情報Ⅱでの「情報とデータサイエンス」などの項目が設けられ,統計分野の知識の活用が必要とされている.しかし数学科では情報機器の活用に慣れていないこと,情報科ではデータサイエンスの背景にある数学の指導はされないことなど,統計分野の指導にはまだまだ解決すべき課題が多い.ここでは情報科の本来の目的である「問題解決」に対して,統計の知識を用いてのデータ分析やその活用についての題材やそれらと数学科との連携などについて紹介する.
井手 広康(愛知県立小牧高等学校)
高等学校におけるPythonのプログラミング環境に関する比較実験

【講演概要】2019年に改訂された高等学校学習指導要領において,教科「情報」ではプログラミングの単元が必修化となった.高等学校学習指導要領では授業で取り扱うプログラミング言語に関して指定していない.しかし高等学校情報科「情報Ⅰ」教員研修用教材においてPythonのプログラムが例示されたこともあり,プログラミング教育にPythonの導入を検討している学校も多い.ただしPythonにはさまざまなプログラミング環境が存在するため,これらを比較するべく,クラス毎に異なるPythonの6種7通りのプログラミング環境を用いてプログラミング教育を行った.ここでは事前・事後アンケート等の分析結果から得たPythonのプログラミング環境の違いによって生じる教育効果に関して紹介する.
肥田 真幸(和歌山県教育庁 学校教育局県立学校教育課(兼)義務教育課)
プログラミング教育における発達の段階に応じた体系化の重要性と授業展開例

【講演概要】和歌山県では,発達の段階に応じた体系的なプログラミング教育「きのくにICT教育」を実施しており,2019年度から,全国に先駆けて県内全ての公立小・中・高等学校で実施している.プログラミング教育の推進には,児童生徒にプログラミングに対する興味・関心を高めるための学習内容,それを通して育成すべき能力への教員の理解等が必須である.また,先駆けての実施には,教員の意識改革がとても重要であった.「きのくにICT教育」の推進を通して,どのような手立てが県内全域でのプログラミング教育の推進に有効であったかを考察するとともに,具体的な学習展開の例に触れ,和歌山県の取り組むプログラミング教育について紹介する.
柴田 功(神奈川県立川崎北高等学校)
高校のGIGAスクール構想と情報科を一体的に考えよう!

【講演概要】小・中学校の取組に合わせて,いよいよ高校もGIGAスクール構想の実現に向けた取組がスタートする.しかし,情報科の教員はPC教室の中で思考しがちで,学校全体で中学校までに身に付けた情報活用能力を高校でどう育むのかという視点が不足しているように感じる.今後,生徒は1人1台端末を持つようになると,すべての教科及び総合的な探究の時間でどのように授業改善をして,どのように生徒の情報活用能力を育むのが望ましいのか,教育行政や校長の視点から提案する.