第3回 初等中等教員研究発表セッション

2022年3月5日、愛媛大学城北キャンパスにおいて開催される情報処理学会第84回全国大会において、
第3回 初等中等教員研究発表セッションが開催されます。

(参考)

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冨永 浩司(磐田市立田原小学校 教頭)
小学校におけるプログラミング教育の課題と可能性

【講演概要】2015年から実践してきた小学校におけるプログラミング教育の内容について発表する.これまでの一般的な学習とプログラミング教育の比較や小学校プログラミング教育の課題について考察する.また,実践を始めた当初と現在とのプログラミング教育に対する考え方の変化やGIGAスクール構想下におけるプログラミング教育の可能性についても言及する.特に最近の構築主義やブリコラージュといった考え方を用いたプログラミング教育の実践の様子についても紹介する.
広瀬 一弥(亀岡市みらい教育リサーチセンター 指導主事)
再考小学校プログラミング教育 〜実践から考えるその可能性と重み〜

【講演概要】中学校技術科を専門とする私が,情報を専門として取り扱う教科がない小学校において情報教育にどのように取り組んできたかを振り返る.プログラミング教育を試行錯誤しながらどのように行なってきたか,その中で児童がどんなことを考え何ができるようになったか.その可能性と小学校で実施することについての責任の重さについて,自身の考えを述べる.
草野 正義(静岡大学教育学部附属浜松中学校 教諭)
中学校技術科における双方向通信ネットワークおよび計測・制御の授業実践

【講演概要】平成29年3月告示の中学校学習指導要領が,令和3年度に中学校において全面実施されたことをうけて実践した「ネットワークを利用した双方向性のあるコンテンツに関するプログラミングによる問題の解決」と「計測・制御に関するプログラミングによる問題の解決」についての授業を紹介する.本授業では,学習指導要領で提示された「学習過程」に重点を置いて,どのように指導し何を考えさせるかを念頭に入れて実践している.小学校と高等学校の学びをつなぐとともに,生徒の理解や思考を深められるような具体的な提案をする.
安藤 昇(青山学院中等部 講師)
令和7年度大学入学共通テスト、教科「情報」はなぜ必要なのか?

【講演概要】令和7年度大学入学共通テストからの出題教科「情報」 サンプル問題から読み解く,これからの時代に必要なスキル.日本は貧困が深刻化する日本経済にとって,プログラミング必修化,教科「情報」はその救世主となるか議論する.
井戸坂 幸男(大台町立宮川小学校 校長)
小学校におけるGIGAスクール構想の現状と課題

【講演概要】「小学校でのGIGAスクール構想で,1人1台の端末環境がどうなっているか」,学校現場の現状を報告するとともに,GIGAスクール構想を進める上での課題(学校間格差や教職員の考え方の違い)など,皆さんの知りたい疑問に答える内容を予定.また,国際情報科学コンテスト,アンプラグド・コンピュータサイエンスなどの取り組みも紹介予定.
向山 明佳(三重県立名張青峰高等学校 教諭)
情報科教師が学校ICT活用を推進してみた

【講演概要】5年前,三重県立高校で初めて生徒全員にタブレットPCが貸与される新設校へ赴任した私.学校ICT黎明期にノウハウゼロから活用推進を始め,全先生,全生徒が日常的にICTを使う学校になった今,これまでの試行錯誤,紆余曲折,悪戦苦闘とその考察を共有します.
鎌田 高徳(神奈川県立茅ケ崎西浜高校 教諭)
情報Ⅰはすべての授業で問題解決を

【講演概要】情報Ⅰは,問題解決・情報デザイン・プログラミング・ネットワークとデータの活用の4つの項目を個別に学ぶのではなく,これらを関連付けた問題解決の授業を行うことが重要だと考えている.例えば情報デザインでは,ユーザが使いにくい問題があるUIのプログラミングを書き換えることで使いやすいUIに改善していく授業.あるいは,プログラミングの授業では,順次構造,分岐構造,反復構造を組み合わせた上で,ガチャのシミュレータをプログラミングし,生徒たちにシミュレートさせたガチャのデータを統計的な視点で分析を行うことで,ガチャを引くべきかどうかを考える授業を実施してきた.これらの事例をもとに,情報Ⅰの授業で問題解決を行う授業を広めていくことを提案したい.
佐藤 義弘(東京都立立川高等学校 指導教諭)
3年目の「情報Ⅰ」型授業

【講演概要】来年度から実施となる新学習指導要領は2018年7月に公開された.東京都情報教育研究会(都高情研)が設立した新学習指導要領研究専門委員会は「情報Ⅰミニマムプラン」と名付けた年間授業計画を作成した.これを実際に実施して検証することになり,2019年度より「情報の科学」に「情報Ⅰ」の内容を追加する形で「情報Ⅰ」型の実践を開始した.3年間の検証を通して,年間授業計画や工夫が必要な単元など,情報Ⅰに向けて準備すべきことを考えてみたい.