情報入試研究会10周年 ステートメント
2023年3月3日
情報入試研究会を結成して活動を開始してから2022年3月3日で10年が経ぎてしまった。
設立の時点では高校に情報科が置かれていることを知る人はごく一部であったし、まして大学入試で問うに値する内容がある教科であると考える人は皆無に等しかった。入試に値する内容があることを知ってもらい、高校での情報教育の大切さを知ってもらうことを始めようと、入試に値する試験問題を練り上げ実際に模擬試験を実施することから研究会の活動を始めた。
この間に世の中が動いた。世界最先端IT国家設立宣言が出され「小学校からのプログラミング」を含む情報教育の推進が始められた。GIGAスクールの掛け声の下、小学校から高校まで、全ての生徒にコンピュータ端末が付与され、インターネットを活用した教育が進められてきている。高校の教科「情報」も、2科目「社会と情報」・「情報の科学」の選択必履修から、さらに2022年度から高校生全員が学ぶ必履修科目「情報I」とその先を学ぶ選択科目「情報II」となった。そして、この1年の間に、2025年からの大学共通テストで「情報I」を出題範囲としたテストが単独時間枠で実施されることまで決まった。
これからの10年は、情報入試研究会にとっての正念場となる。高大の先生方と共に、高校終了時の生徒の力を的確に把握できるテストの内容・方法を究めていくことを柱として、高校までの情報教育と大学での情報教育とが適切に接続されて、情報教育がより良いものへと発展していくことを目指して活動を続けていく。
(2023年3月15日 追記)
情報処理2023年4月号に筧捷彦先生のコラムが掲載されました。
筧 捷彦 |
次の10年に向けて -情報入試研究会10周年記念ステートメント- |
Next 10 Years – SGEEI 10th Aniversary Statement |
情報入試研究会10周年を記念して,これまでの活動を振り返るとともに,次の10年に向けてやるべき課題を展望する. |
情報処理, Vol.64, No.4, p.179 (2023). |
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