情報処理,Vol. 59, No. 6
「第2回シンポジウム 2025年度高校教科『情報』入試を考える 〜思考力・判断力・表現力の教育/評価方法とCBT化〜」
が刊行されました。
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Joho Nyushi Study Group
情報処理,Vol. 59, No. 6
「第2回シンポジウム 2025年度高校教科『情報』入試を考える 〜思考力・判断力・表現力の教育/評価方法とCBT化〜」
が刊行されました。
教育新聞(2018年5月2日、2018年5月8日)に
「免許外教科担任の実態 高校情報では倍増に」
が掲載されました。
(参考)
お問合せは
http://jnsg.jp/?page_id=93 からお願いします。
日本教育新聞 2018年4月16日号に、次期学習指導要領の共通教科情報科の紹介と、円滑な実施に向けて解決すべき課題について、記事が掲載されました。
◇情報科の成り立ちと前学習指導要領◇
高等学校に教科「情報」が新設されたのは、二〇〇三(平成十五)年度である。普通教科(現共通教科)と専門教科が設定され、普通教科は情報活用の実践力を中心に学ぶ「情報A」、情報の科学的な理解を中心に学ぶ「情報B」、情報社会に参画する態度を中心に学ぶ「情報C」の三科目が設定され、これらの中から一科目を選択必履修することとされた。しかし、本来は進路や特性に応じて科目の選択を生徒自身が自由に行なえるようにするべきところ、学校側が科目指定を行ない、生徒は選択できないという状態が一般的だった。全国の高等学校における各科目の開設状況は、「情報A」が八〇%であるのに対し、「情報B」は僅かに五%、「情報C」も一五%にとどまるなど、「情報A」に偏重していた。さらに、情報活用の実践力=オフィスソフトの使用法という矮小化された解釈のもと、ワープロやプレゼンテーションソフトの使い方の実習ばかりが行なわれるような授業も少なくなかった。
この原因は、教員に因る部分も大きかった。情報科の新設にあたり、二〇〇〇年度からの三カ年に亘って「新教科『情報』現職教員等講習会」が実施され、これにより免許が発行された教員が授業を担当した。この講習は僅か十五日間に過ぎず、情報科の幅広い内容を指導するのに必要なレベルまで引き上げるには無理があったと言わざるを得ない。
◇情報科の現状と現行の学習指導要領◇
これらの問題を抱えていたとは言え、新教科として情報科が立ち上がったことは意義深く、各地に情報科の教科研究会ができ、それを束ねる全国高等学校情報教育研究会(全高情研)も設立された。全高情研の全国大会では、高等学校教員のみならず、大学の研究者なども毎年数多く研究発表を行ない、授業内容の改善や新しい取り組みへの推進力となっていることは実に頼もしい。
二〇一三(平成二五)年度入学生から施行されている現行の学習指導要領において、共通教科情報科は、「社会と情報」と「情報の科学」の二科目に再編された。その内容を、次に示す。
「社会と情報」
(1)情報の活用と表現
(2)情報通信ネットワークとコミュニケーション
(3)情報社会の課題と情報モラル
(4)望ましい情報社会の構築
「情報の科学」
(1)コンピュータと情報通信ネットワーク
(2)問題解決とコンピュータの活用
(3)情報の管理と問題解決
(4)情報技術の進展と情報モラル
「情報A」に相当する科目が消滅し、「社会と情報」が「情報C」、「情報の科学」が「情報B」を発展させたような位置づけとなった。しかし、学校側が科目指定を行なうという状況に変化はなく、「社会と情報」が八〇%、「情報の科学」が二〇%という開設状況にある。
また、情報科の担当教員問題は、情報科が新設されてから十数年経たにも関わらず、改善されるどころかより劣悪な状況になっている。全国の情報科教員のうち、情報科専任は僅か二〇%であり、五〇%が他教科との兼務、残る三〇%は情報科の教員免許を持たない免許外教科担任や臨時免許で指導している。
◇情報科のこれからと次期学習指導要領◇
学習指導要領改訂の第三ステージとして、今回告示された次期学習指導要領の共通教科情報科は、今までの延長線上ではなく、かなり大きく変化した。「情報A」「情報B」「情報C」の時も、「社会と情報」「情報の科学」の時も、ともに選択必履修であり、また、これを発展させたいわゆる積み上げ科目が共通教科情報科には存在しなかった。ところが、今回は、必履修科目が「情報Ⅰ」に一本化され、さらに、発展科目として「情報Ⅱ」が設定された。
次にその内容を示す。
「情報Ⅰ」
(1)情報社会の問題解決
(2)コミュニケーションと情報デザイン
(3)コンピュータとプログラミング
(4)情報通信ネットワークとデータの活用
「情報Ⅱ」
(1)情報社会の進展と情報技術
(2)コミュニケーションとコンテンツ
(3)情報とデータサイエンス
(4)情報システムとプログラミング
(5)情報と情報技術を活用した問題発見・解決の探究
この内容を見ればわかるように、「情報Ⅰ」の上に「情報Ⅱ」が位置づけられていて、内容の対応は、「情報Ⅰ」→「情報Ⅱ」で、(1)→(1)、(2)→(2)、(3)→(4)、(4)→(3)と、非常にわかりやすい構造になっている。「情報Ⅱ」の(5)は、「情報Ⅰ」と「情報Ⅱ」で習得した知識・技能を使って、総合的な課題探究を行なうという位置づけになっている。専門学科における課題研究に近いようなものであるとも言えよう。
各科目の標準単位数はいずれも二単位であるものの、今までの選択必履修科目の平屋建てから、共通必履修科目の上に発展科目を乗せた二階建て構造になったことで、統一された内容が指導されることになり、さらに、その内容を深める学習も可能になる。この構造的な変化は、高等学校における情報科のプレゼンスを向上させることになると思われる。
内容についてもう少し具体的に見てみると、情報デザイン、プログラミング、ネットワーク、情報セキュリティ、データベースなどが「情報Ⅰ」で必ず扱うものとなった。さらに、データサイエンスや情報システムなどに関する内容が「情報Ⅱ」で充実した。端的に言えば、情報の科学的な理解に大きく重点を移し、現行の専門教科情報科で扱っているような深い内容のものが幅広く取り入れられた。
他教科との兼任や情報科の免許を持たない教員に、これらを適切に指導できるのか、非常に心許ない。このことについては、大学における教員養成、教育委員会における教員採用、さまざまな現職教員研修などの、教員を取り巻く環境の改善・支援や、コンピュータや情報通信ネットワークなどを活用した実習を積極的に取り入れるために必要な情報機器やネットワークなど教育環境の改善が待たれるところである。
教育新聞電子版2018年3月14日付(紙面版2018年3月26日号予定)に
「『情報』を大学入試科目に 共通テストへの導入も提言」
が掲載されました。
(参考)
「情報」を大学入試科目に 共通テストへの導入も提言
教育新聞電子版2018年3月14日付(紙面版2018年3月26日号予定)
https://www.kyobun.co.jp/news/20180314_05/情報処理学会(会長・西尾章治郎大阪大学総長)は3月13、14、15日の3日間にわたり、第80回全国大会を都内で開催している。大会2日目の14日には、同学会が中心となって研究開発を進めている、大学での「情報入試」をテーマにしたパネルディスカッションが行われた。新学習指導要領や高大接続改革を見据え、「情報」を大学入試科目に位置付けるためのさまざまな課題を議論した。同学会では、大学入学共通テスト(共通テスト)の入試科目に「情報」を導入するよう提言している。
同学会ではこれまでも、高校生などを対象に、「情報」を入試科目に想定した模擬試験を実施。また、文科省の大学入学者選抜改革推進委託事業の1つとして、「情報学的アプローチによる『情報科』大学入学者選抜における評価手法の研究開発」を行っている大阪大学などと連携して、CBTによる「情報」の思考力・判断力・表現力を評価する入試問題システムの開発などにも取り組んでいる。
こうした取り組みを踏まえ、パネルディスカッションでは「情報入試のすゝめ」をテーマに、筧捷彦早稲田大学名誉教授が司会となり、パネリストとして日本学術振興会理事長の安西祐一郎慶應義塾名誉大学教授、NPO法人TECUM代表の長岡亮介氏、全国高等学校情報教育研究会副会長の佐々木修神奈川県立二宮高校校長が登壇した。
安西名誉教授は、高大接続改革の意図を話し、「世界の中で先進国になろうと思えば、入試改革はやらなければならない」と強調。情報入試は「授業のため、専門のためではなく、子供たちのために必要なものだ。国民にそれを分かってもらうためのキャンペーンをしないといけない。情報科の先生のサポートも必要だ」と述べた。
数学教育の在り方を問い直し、教員支援などの活動を行っている長岡氏は、「数学」の入試問題の歴史的な変遷に触れ、「『数学』の入試問題では、数学的知識を未解決問題に応用し、解を発見する能力を判定するために、問題の解法を重視してきた。一方で、高等教育の普及に伴って、膨大な数学嫌いを生んできたのも事実だ」と話し、情報入試でも同じ轍を踏まない取り組みが必要だと指摘した。
佐々木校長は「多くの高校で、『情報』は2単位しかなく、情報科の教員は1人しか配置されない。そのため、教育力の向上が課題になっている。情報入試は、こうした情報科の教員にとっての共通の目標値になる」と、期待感を示した。
同学会では全国大会に先立ち、3月9日に提言を発表し、21年から始まる大学入学共通テストの入試教科に「情報」を出題するよう求めている。それによると、2016年3月に同省の高大接続システム改革会議の最終報告書で、「情報」からの出題を「検討する」とされたにもかかわらず、同テストの検討・準備を行っている大学入試センターの問題調査研究部会に「情報」部会が設置されていないと指摘。センター試験で出題されてきた「情報関係基礎」のノウハウの蓄積も踏まえ、設置すべきだとしている。
お問合せは
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情報処理学会が
「大学入試センターが実施する試験における『情報』出題の提言」
を公表しています。
詳しくは、
http://www.ipsj.or.jp/release/teigen20180309.html
をご覧ください。
(参考)
日本ソフトウェア科学会
第20回プログラミングおよびプログラミング言語ワークショップ(PPL2018)において
「情報教育とプログラミング教育:私達は当事者である(べき)かも?」
の招待講演が行われました。
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情報処理学会論文誌「教育とコンピュータ」,Vol. 4, No. 1
「情報教育はどこまで広がっているのか ――分からないことを調べる苦難と今後のために」
が刊行されました。
情報処理学会論文誌「教育とコンピュータ」,Vol. 4, No. 1 に
情報処理学会のジュニア会員が執筆した論文
「意味の理解に着目させる漢字学習ソフト『熟語マニア』の開発と評価」
が掲載されました。
文部科学省 大学入学者選抜改革推進委託事業「情報学的アプローチによる『情報科』大学入学者選抜における評価手法の研究開発」(大阪大学・東京大学・情報処理学会)において、「情報に関する思考力・判断力・表現力を評価するCBTの高等学校における試行試験」(以下、試験)を実施します。
試験にご参加いただく場合の大まかな流れは以下の通りです。
予定数に達したため、受付を終了しました。
学研・進学情報(2018年2月号)に
「失敗しても面白い! プログラミングを楽しく学ぶ」
が掲載されました。
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情報処理,Vol. 59, No. 4
「新たなICTが教育にもたらすもの」
が刊行されます。
文部科学省 大学入学者選抜改革推進委託事業
情報学的アプローチによる「情報科」大学入学者選抜における
評価手法の研究開発
http://www.uarp.ist.osaka-u.ac.jp/
では、2018年2月~3月に
「情報科」大学入学者選抜試行試験を実施する予定です。
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学研・進学情報(2017年11月号)に
「『情報』軽視に危機感 慶應SFC・明治大は入試に採用」
が掲載されました。
(参考)
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2017年度情報処理学会関西支部.支部大会講演論文集
「『情報処理学会論文誌:教育とコンピュータ』の現状と展望」
が刊行されました。
中野由章さんが情報処理学会第79回全国大会の大会優秀賞を受賞しました。
受賞論文は、全国の都道府県と政令指定都市の教育委員会に公文書公開請求を行ない、高等学校情報科の教員採用の実態を明らかにしたものです。
[受賞論文]
中野由章,中山泰一:
高等学校情報科教員採用の危機的現状,
情報処理学会第79回全国大会論文集, 5E-01 (2017).
2017年8月17日にウィシュトンホテル・ユーカリで開催される
情報処理学会情報教育シンポジウム2017において
「高等学校専門教科の情報関係基礎科目の目標と内容」
の研究発表がされます。
2017年8月19日にウィシュトンホテル・ユーカリで開催される
情報処理学会情報教育シンポジウム2017において
「大学1年次コンピュータリテラシ科目でのアセンブリ言語プログラミング体験」
の研究発表がされます。